企業理念やブランドビジョンなどは、社員一人ひとりがきちんと理解して共有し、事業やサービス、日々の行動にまで浸透していくことが大切です。地道な活動とその努力が企業文化を育成していきます。また、理念やシンボルは企業にとって大切な知的財産であり、企業文化の原点でもあります。子供を生み、育て、成長させていくことと同様に、生み出したものの特性を活かしてどう発展させていくのか、地道な取り組みを続けることが大切です。理念浸透計画はその活動の一つでもあります。
社員(社内)向けのブランディングをインナーブランディングやインターナルブランディングなどと呼ぶ場合もあります。会社のあるべき姿(ブランドアイデンティティ)を全ての社員が理解し、共有するための啓蒙活動です。自社ブランドに誇りを持ち、理念や価値観に共感し、自社への愛着や好印象を抱いてもらうために行います。最終的にはブランド価値の向上につながり、あるべき姿・将来像の実現、自社の価値の再認識・可視化、理想的な社風づくり、会社の求める行動や士気の喚起、生産性の向上を目指します。
(期待される効果)
①ブランド、存在意義、企業理念やビジョン等の共有、理解促進
②会社への誇り(プライド)や愛着の醸成
③モチベーション、満足度の向上
④社員維持と人事採用強化
⑤社員と会社との良好な関係構築の機会、チームビルディング・連帯感の醸成
社員の会社へのエンゲージメント、コミュニケーションのプロセスにより、ブランド価値を維持・醸成し、結果的に企業の成長へとつなげます。
宇和島信用金庫(うわしん)様の場合、全職員参加型でつくり上げた理念体系や行動目標をもとに、役員や職員横断型による全員参加で具体的な施策検討を行いました。また、実行委員会と若手職員のキーマン数名により、新たな商品・事業・サービスなどについて自由なアイデアを出し合い、夢を語り合う時間も設けました。本部と各営業店間、職員同士の情報共有やコミュニケーション不足への対応策が検討され、各営業店で取り組めることから始めようという気運が高まりました。本部・各営業店対抗のCI活動提案競争大会が定期的に開催され、実行に移される風土も育ち始めました。プロジェクトを通じて全職員が徹底的に悩み考える文化が浸透し始めたことはプロジェクトの副次的効果となりました。また、CIプロジェクトの一環としてマナー講座企画をご提案し、実施されました。

ディスカッション・ワークショップ(インナーアイデンティティ)
部署横断・役職等の垣根を超えて、想いの源でつながり合う《共創型ワークショップ》を実施します。理念やブランドビジョン等に沿って自社について改めて考え見つめ直し、現状を再認識し、どう行動していくかを共有し、未来を描くような機会づくりを行います。
社員の立場や役職などの関係で内部だけでは実施が難しい場合や、外部であるからこそ引き出せる取り柄・価値や伝えられることもあり、企画からファシリテーション、実施まで、専門的な立場から関わらせていただく場合があります。
(インナーアイデンティティ構築、インナーブランディングの実施ポイント)
・楽しく前向きに取り組めるような工夫=会社を自分ゴト化
・一人でも多くのブランド伝道師を育てていくつもりで臨む
・社員一人ひとりがブランド伝道師であることを意識して行動するように促す
・社員主導型やボトムアップで進めた方が、トップダウンよりも会社への愛着を育みやすい
・自社内のブランドに対する想いの熱量が顧客・社会に伝わっていく
・社員の心を丁寧に育んでいく、長い目で浸透させていくことを考慮する(早期効果を望まず強要や命令はしない)
・心理的安全性を確保する
企業内にブランドのコンセプトやCIを浸透させていく場合、会社の心や社員の心、精神、提供する価値や存在意義といった概念を記すMI(Mind Identity)、実際の行動や態度にまで移していくBI(Behavior Identity)構築という構造的な捉え方をします。MIやBIに構成される内容や規定は各社各様ですが、企業内の実態や行動が大切です。ブランドやイメージ・印象として外部に反映されてしまうため、CIやイメージ、ブランド構築の視点では大切になります。そして、それが社員に自然に受け入れられ理解され共感できるものでなければ共有化されません。そのためMIやBIの再構築に社員参加型で行ったり、あるいは既存のMIやBI体系を定期的に見直し解釈したり、それらに基づいてビジネスや行動を見直していく対話の場の設定(インナーコミュニケーションの活動)はとても大切です。

企業理念や哲学、精神や信条、ビジョン、使命(ミッション)、行動目標などを、社内外で共有し浸透させていくために、また自身の目指す方向性として対外的にも発信していくために、文字としても視覚情報としても記憶に残りやすいビジュアルデザインを施し、コンセプトブックやアイテムツール類をデザイン・制作します。
(例)ポスター、理念ブック、コンセプトブック、携帯型カード、社内報等
宇和島信用金庫(うわしん)様の場合は『宇和島信用金庫 IDEA』を表現したビジュアルデザインで、各営業店にポスターを掲示しました。ディスクロージャーや金庫案内、HPなどにも展開できるようにデザインシステムを用意しました。そして、新CI導入当時の理事長や実行委員会の想い、IDEAとその解釈、行動目標の記されたコンセプトブックは、役職員全員、外部の取引先やお客様にも配布されました。手帳サイズのミニコンセプトブックも作成し、各営業店の朝礼などで唱和されています。



企業にとって、大切な理念やデザインなど知的財産をしっかりと管理・維持し運用していくことは非常に大切です。デザインにおいては、開発されたVisual Identity Systemを適切にかつ効果的に展開しなければ、制作会社や担当者の変更により、簡単にイメージが崩れていきます。プラスイメージを作る以上にマイナスイメージの修正は大変です。
特に印刷物や制作物などは、制作の都度、制作会社任せになっている場合、長期的視野に基づいた統一のデザインルールがないために、表現するロゴタイプやマーク、カラーなどの基本デザイン要素が多数存在し、全体のブランドイメージが分散してしまいます。また、イメージの相乗累積効果を生むブランド管理や、適切なイメージの品質保持がなされない状況が起きてしまいます。
そのため、私どもは社内の組織体制の確立をサポートさせていただき、デザイン水準を最低限維持し、外部制作会社に発注する際の基準も含めて、管理運用のためのマニュアル体系やガイドラインなどを設計していきます。感性訴求(ビジュアル・コミュニケーション)が求められる時代において、デザインシステムで維持管理していく仕組みや体制はとても大切です。マニュアルやガイドラインの規定化内容・種類・仕様などは、管理運用状況や方針に基づき設計し編集していきます。



各種アイテム類の制作にあたり、デザイン監修やアドバイスをさせていただく場合があります。また、デザインシステム構築やブランドイメージ管理の視点から、外部制作会社と制作を進める上でのサポートをさせていただくこともあります。
宇和島信用金庫(うわしん)様の場合は、新しい「宇和島信用金庫」を表現したイメージ品質を一貫したデザインポリシーで保持するため、長期にわたり使用するストック型のデザインを私どもが担当し、短期的使用の広告類に関しては基本のフォーマットやデザイン規定に則って地元の制作会社にご担当いただきました。その際、デザイン指導を行うとともに、庫内の制作担当者にも、外部へのデザインや制作の指示、校正のプロセスなどを細やかにサポートさせていただきました。今では私どもが関与しなくとも庫内でデザイン品質やブランドイメージを管理する「目」が育ち、実際にブランドイメージを管理しながら目的や使用頻度、内容によって自由度のあるデザインで制作ができるようになりました。

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